日本史とは。~勉強する理由と勉強法~(佐々木) | 東進ハイスクール 新宿エルタワー校 大学受験の予備校・塾|東京都

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2018年 8月 6日 日本史とは。~勉強する理由と勉強法~(佐々木)

 

こんにちは!早稲田大学国際教養学部の佐々木です!

夏休みもそろそろ後半戦に差し掛かろうとしています!皆さん調子のほどはいかがですか?

暑い日が続きますが、頑張っていきましょう!

実は私、国際教養学部なのに日本史選択でした。今のところ同じ学部でで日本史選択見たことないです。なので、ひそかに世界史をいまさらながら勉強していたりします。

そういうわけで今日は日本史(特に近現代史)に焦点を当てて勉強法を話していこうと思います!

トピックは以下の通りです

①なぜ歴史を勉強する必要があるのか(文系全員に共通するはずです)

②どのような勉強が有効か(日本史選択必見!)

→(1)近現代史は受験においてどれだけ重要か

 (2)近現代史はなぜ重要か

 (3)有効な勉強法は

 

 

①なぜ歴史を勉強する必要があるか。

おそらくこのブログを読んでいる皆さんの中には受験生で日本史選択で今現在日本史の学習に励んでいる人や、これから文理選択、さらには日本史か世界史を選択するかを悩んでいる人もいることかと思います。

どちらにせよ、言えることは文系を選択した場合多くの生徒は日本史か世界史を学習します。そして、中学生までの義務教育においても日本の歴史については必ず学んでいることと思います。

そんなみなさんの中にも、なんでわざわざ歴史科目を学ぶ必要があるの?といったところに対する疑問を持っている人もいることかと思います。

そこで早稲田大学政治経済学部のアドミッションポリシーを読んでみましょう。

政治経済学部は、早稲田大学の校旨である『学問の独立』の教育理念のもと、一定の高い基礎学力を持ち、かつ知的好奇心が旺盛で、本学の理念である進取の精神に富む、勉学意欲の高い学生を、わが国をはじめ世界から多数迎え入れる。こうした学生の質の高さ、および多様性を確保するため、政治経済学部では一般入試、センター入試、推薦入試、AO入試の四つを核とする入学試験を実施し、特に推薦入試、AO入試については門戸を国外にまで開放して、国内外の多くの学生に受験の機会を提供している。受験生に期待されるのは、学習の土台となる母語および英語を核とする言語運用能力や論理的思考力、自身の立ち位置を認識するために必要となる歴史・文化的知識、そして世界中の人々と交流しながら様々な問題に立ち向かう行動力であり、上述の各種入学試験ではこれらの知識・能力を多面的に考査することになる。

早稲田大学についてアピールしたいポイントは多々ありますが一旦それは置いておきます(笑)

突然アドミッションポリシーって書きだして何だ??という人もいたのではないでしょうか?

アドミッションポリシーとは、大学側がこういう受験生が欲しいです!とはっきり宣言しているポリシーです。

自分の志望する大学のアドミッションポリシーは必ず読んでから、どういう受験生であることが求められているのかを理解してから過去問演習に臨むようにしましょう!それを読む読まないだけでも違いは生まれます。

それはさておき、早稲田大学政治経済学部の教授は日本史や世界史という学習を通して、皆さん自身の歴史的立ち位置を認識できるだけの歴史的・文化的知識を身に着けてもらいたいわけです。ですから、早稲田大学政治経済学部の入試では2018年度入試から政治・経済を受験科目として選択できないようにした。という流れがあるわけです。

そして、佐々木が思う個人的な考えは文系科目(特に社会)は人を学ぶ科目ということです。

例えば、マーケティングというものをよく聞くと思いますが、あれは自らの企業のモノ・サービスを消費者に選択してもらうために企業側があらゆる形で消費者に働きかける方法のことです。企業側は消費者に物を買ってもらいたい一方で必ずしも多くの消費者がそれに対して目を向けているわけではありません。その状況でモノ・サービスを売り込むためには消費者の購買行動を理解し、それに合わせた、またはそれを利用するような売り出しをする必要があります。そこで重要なポイントは提供する側は消費者行動を学ぶ必要があるということです。例えば、主な消費者層になると思われる人たちの年齢層や職業、住んでいる場所、ライフサイクルなどなど。消費者という人のことを学ばなくてはなりません。その人を学ぶことの基礎にあたるのが歴史科目であると佐々木は考えています。

既成の事実に対して、誰がいつどこでどのようなきっかけ・原因があってその行動を選択したのかを考察する必要がある歴史科目の学習を通じて、文系の学問を学ぶうえで根幹を成す「人を学ぶ」ということについて知る第一段階が大学入試における歴史という科目の存在意義だと思います。

 

そういうわけで以上が歴史を学習する理由です!


では具体的にどのような勉強が良いか、というところに触れていきましょう。

大学入試において近現代史は受験においてはとても重要です!!しかし、その一方で苦手とする生徒が多いです。そこで近現代史の重要性と勉強方法に迫っていこうと思います。(全て佐々木の自説)

1.なぜ近現代史は受験において重要か

日本史において近現代史が重要というものの、特に高2生以下の皆さんはピンと来ないかもしれません。ざっくり時代区分で言えば、ペリー来航→開国から先の出来事と思っていただいて構いません。

まず、どれくらい重要かを見ていきましょう。

受験生の多くが受験をするであろう、センター試験。それにおける日本史の配点を見てみましょう。

第一問(テーマ史):16点
第二問(古代):16点
第三問(中世):16点
第四問(近世):16点
第五問(近代):12点
第六問(近現代):24点

近現代史だけで36点/100点というおおきな割合を占めています。開国は1854年ですよね?それからわずか170年弱だけの出来事でセンター試験の1/3以上の点数を占めています

2.なぜ近現代史は重要か

この配点を見たら近現代史の重要性がわかってもらえたはずです。かなり大きいですよね。明治維新に代表される大改革によって近代的な政治体制、教育体制、などなどもろもろの組織や仕組みが改変されました(それの良し悪しは別として)。そして、現在のそれに近いものになったわけです。

その教育体制の刷新というものの中核を担ったのがみなさんの多くが志望する大学(東京大学や早稲田、慶應をはじめとする難関有名大学)であり、国立大学は国立大学としての、私立大学は私立大学としての成立までの流れというものがあり、そこには政治が密接に関係しています。だからこそ、大学側は大学の存在そのものと密接なかかわりを持つ近現代史に重点を置いた問題が出されることが多いわけです。

3.どのような勉強法が有効か

私自身は東進の金谷先生のスタンダード日本史の授業とそのノートを中心に、ベースを作り、そこからさらに早慶大対策日本史や早大対策日本史演習の講座を進めて日本史の勉強を進めていました。

また、皆さんがよく開いているあの一問一答は直前期のセンター試験終了後からしか本格的には使いませんでした。なぜそのような勉強法を取ったかと言えば、一問一答は最後に本当にどう工夫しても覚えきれなかった、抑えきれなかった項目をカバーするためだけの勉強道具であると私自身は位置付けていたからです。

その勉強法を選択した最大の理由は単純な一対一の暗記や歴史における各事象の流れを把握することはもちろん重要ですが、それに携わった人物を理解することが日本史という科目における最も根幹的な要素であると考えていたためです。なぜかといえば、歴史を動かしてきたのは今のところ全て誰か人間の手であるからです。人間であるということは思考や感情があるわけです。それらによって物事は変わり、あるいは生み出されています。

例えば、早稲田大学の創設者である大隈重信は明治14年の政変で1881年に政府を下野しました。そして翌年の1882年には初期政党の一つである立憲改進党を設立し、早稲田大学の前身にあたる東京専門学校を設立しました。これがよくみる教科書に書かれる記述です。これを覚えるのは簡単なことではないと思います。

何が言いたいかというと、早稲田大学の教旨には、「学問の独立」というものが要素の一つとして謳われています。それは在野の精神や反骨の精神に結び付くものがありますが、なぜそのような教旨であるかも併せてみてみましょう。

大隈重信という人物はもともとはそこまで身分が高いとは言えないものの、江戸時代の佐賀藩で台頭し、そこから明治維新の中枢として活躍しながらも、開拓使官有物払下げ事件において世論を先導したとして明治14年の政変で罷免され、翌年に早稲田大学の前身にあたる東京専門学校を創設し、そこでは庶民の教育の充実を重視し、在野の精神や反骨の精神に重きを置き、学んだ知識を基に批判的な思考能力を有する人材の育成に取り組みました。ジャーナリズムがそれの最たる例で早稲田大学文学部出身の石橋湛山は早稲田大学卒業後に東洋経済新報の記者、つまりジャーナリストとして働き、第二次世界大戦期には日本の植民地政策を非難し、その主張が展開されている史料をはじめとする石橋湛山に絡んだ問題が早稲田大学の日本史の問題では多く見られるます。

早稲田大学を例にとって説明しましたが、大学一つの成り立ちを取ってもこれだけ深く理解し、繋げていくことが出来ます。繋ごうと思えばもっと長く書くいこともできます。

大学に限らず、日本史で出てくるどんな出来事にも必ず誰かそこに関わっている人がいます。

ただの事象だけでは歴史は成り立ちません。事象を生じさせた人がいてそれに影響された人がいて、それに対して何らかの形でリアクションを取る人がいることによって歴史というものは紡がれていきます。

だから、そこに生じるストーリーや人情に感動する人たちがいて大河ドラマなどが存在するのです。(全てが史実に基づいたものではありませんが)そして、日本史はただの一対一対応で覚えていくだけの暗記科目ではないと金谷先生をはじめとする日本史の先生はそう言うわけです。

ここまでたくさん書きましたが、大変ですよね。時間もかかると思います。ただ逆に一朝一夕で理解して覚えられるような内容であれば大学入試に出題されることはありません。もちろん、最低限覚えなくてはならない事項はあります。それこそ人名は漢字まで書けるように覚えるしかありません。でも、今回のブログで日本史はただの単純暗記ではないということは分かってもらえたのではないかと思っています。

4300字を超えており、自分でも驚いていますが、皆さんの日本史の成績が向上することを祈ってます!

明日のブログは農工大の吉瀬担任助手です!お楽しみに!